ハビットトラッカーとは?習慣トラッカーの意味・書き方・続けるコツ
ハビットトラッカー(習慣トラッカー)とは
ハビットトラッカー(habit tracker)は、続けたい行動を決めて、やった日に印をつけていく記録表のことです。日本語では「習慣トラッカー」とも呼ばれます。
形はいろいろあります。
- 手帳やノートに、自分で表を書く(バレットジャーナルの1ページとしてもよく使われます)
- 印刷したテンプレートに、シールやスタンプを貼る
- スプレッドシートにチェックを入れる
- スマホのアプリで、タップして記録する
どれも中身は同じで、「何を続けるか」と「どの日にやったか」を1か所に並べて、続いている様子を目で見えるようにするものです。
なぜ、記録をつけると続けやすいのか
「やった日に印をつけるだけ」で変わるのか、と思うかもしれません。研究では、進み具合を確かめること(モニタリング)には効果があると報告されています。
Harkin ら(2016)は、進み具合を確かめるように促す介入を、そうしない群と比べた138の研究(のべ19,951人)をまとめて分析しました。その結果は次のとおりです。
- 介入によって、進み具合を確かめる回数は大きく増えた
- そして、目標の達成も高まった(効果量 d+ = 0.40)
- 効果が大きかったのは、結果を人に知らせたり公表したりした場合と、情報を記録として書き留めた場合
ここで2つ、押さえておきたい限界があります。
- この分析が見ているのは「目標を達成できたか」で、習慣になったか(考えなくてもできるようになったか)ではありません
- 「書き留めた場合に効果が大きい」は、頭の中で確かめるだけの場合との比べ方で、紙とアプリのどちらがよいかを比べたものではありません
つまり、「記録をつけると、やろうとしていたことをやり遂げやすくなる」ところまでは言えますが、「記録すれば習慣になる」とまでは言えません。
習慣になるまでには、ふつう数か月かかる
もうひとつ知っておきたいのが、習慣になるまでの長さです。Lally ら(2010)が毎日の様子を12週間測った研究では、考えなくてもできる度合いが頭打ちに近づくまでの日数は、18日から254日と人によって大きく違いました(よく引かれる「中央値66日」も、この研究の一部の人から出た数字です)。くわしくは習慣化にかかる日数は?にまとめました。
ハビットトラッカーは、1週間で結果を出す道具というより、数か月つけ続けられる形にしておくことが大事だということです。
ハビットトラッカーの基本の書き方(紙の場合)
紙で始めるなら、次の5つの手順で作れます。
- 続けたいことを少しだけ選ぶ。最初から多く並べると、空欄が目立って見るのがつらくなります
- 「いつやるか」をきっかけで決める。「毎朝7時に」より「朝食のあとに」のように、毎日ある行動にくっつけます(きっかけで習慣を作る研究)
- 表を作る。行に習慣、列に日付を並べます
- やったら、その日のうちに印をつける。あとでまとめてつけると、思い出せずに空欄が増えます
- 週に1回、見返す。できた日の数より、「どの曜日に抜けやすいか」「何があった日に抜けたか」を見ます
表は、たとえばこんな形です(○ できた・△ 小さい版でできた・休 お休み)。
| 習慣 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 朝食のあとに水を1杯 | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | 休 | ○ |
| 歯みがきのあとにストレッチ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | 休 |
印は「できた/できなかった」の2つにしない
上の表で、○ のほかに △ と「休」を入れているのには理由があります。
印が「できた」「できなかった」の2つしかないと、1日抜けただけで表に穴があき、「もう崩れた」と感じやすくなります。けれど、毎日の様子を測った研究では、1回の抜けは習慣の育ち方を実質的に損なっていませんでした(1日サボったら習慣化はやり直し?)。
そこで、印を次の3つにしておくと、続けやすくなります。
- できた:ふだんどおりにできた
- 小さい版でできた:しんどい日のために、あらかじめ決めておいた小さい版(たとえば「ストレッチ10分」の代わりに「1種目だけ」)
- お休み:最初から決めておいた休み。ただし、回数に上限をつける(無制限にすると、目標として働かなくなります)
「◯日連続」を数えるかどうかも、決めておくとよいところです。連続の表示には続ける力になる面と、途切れたときにやる気を下げる面の両方があります(連続記録(ストリーク)は習慣化に役立つ?)。
紙とアプリ、どちらがいい?
先に書いたとおり、どちらが続きやすいかを直接比べた研究は、今回たどれた範囲では見つかりませんでした。向き不向きで選ぶのがよさそうです。
| 紙(手帳・ノート・印刷) | アプリ | |
|---|---|---|
| 始めやすさ | ペンがあればすぐ。デザインも自由 | 入れればすぐ。表を作る手間がない |
| 記録のしやすさ | 手帳を開く必要がある | スマホでタップするだけ |
| 思い出させてくれるか | 自分で開かないと見ない | 通知やウィジェットで目に入る |
| 見返しやすさ | 1か月を1枚で見渡しやすい | 週や曜日ごとの集計を自動で出せる |
| 向いている人 | 書くこと自体が楽しい人 | 手帳を持ち歩かない人・つけ忘れが多い人 |
紙で始めて、つけ忘れが増えてきたらアプリに移す、という順番でもかまいません。
途中でやめてしまう、よくある形
ハビットトラッカーが続かなくなるときは、だいたい次のどれかです。
- 習慣を並べすぎる:空欄ばかりの表は、見るたびに気持ちが下がります。減らしてよいものです
- 1日抜けて、表ごと放り出す:抜けた日は「お休み」か空欄のままにして、次の日に戻るほうが大事です
- 印をつけること自体が目的になる:表がきれいに埋まることより、行動が楽にできるようになっているかを見ます
HabitTap では
HabitTap は、iPhone・iPad で使えるハビットトラッカーのアプリです。この記事に書いた「3つの印」を、そのまま記録の仕組みにしています。
- 記録はタップ1回。記録ボタンはタップするたびに「できた → ミニ版 → 取り消し」と変わります
- 「ミニ版」と「お休み」。しんどい日のための小さい版を「ミニ版」として記録できます。お休みの回数は習慣ごとに決められ、新しく作る習慣では週1回が最初の設定です
- 週ごとのふりかえり。習慣ごとに、その週にできた日とお休みの日を見られます。「傾向」では、曜日ごとの記録やこの1年の記録、休んだあとに戻ってきた回数も見られます
- 身についた度。始めて7日たつと、週1回・4つの質問で、習慣がどれくらい自然にできるようになったかを確かめられます(Gardner ら(2012)の尺度をもとにした質問です)
- ウィジェット。ホーム画面やロック画面から、今日の習慣が目に入ります
記録は端末の中に保存され、アカウントの登録は要りません。
まとめ
- ハビットトラッカーは、続けたい行動をやった日に印をつけて、目で見えるようにする記録表
- 進み具合を確かめると、目標の達成は高まると報告されている。ただし「習慣になる」ことまでは確かめられていない
- 習慣になるまでは人によって大きく違い、数か月かかることもある。長くつけられる形にする
- 印は「できた/できなかった」の2つにせず、小さい版とお休み(上限つき)を入れておく
- 紙かアプリかは、書くのが好きか、つけ忘れが多いかで選ぶ
出典
- Harkin, B., Webb, T. L., Chang, B. P. I., Prestwich, A., Conner, M., Kellar, I., Benn, Y., & Sheeran, P. (2016). Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence. Psychological Bulletin, 142(2), 198–229. 10.1037/bul0000025
- Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40, 998–1009. 10.1002/ejsp.674
- Gardner, B., Abraham, C., Lally, P., & de Bruijn, G.-J. (2012). Towards parsimony in habit measurement: Testing the convergent and predictive validity of an automaticity subscale of the Self-Report Habit Index. International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity, 9, 102. 10.1186/1479-5868-9-102
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