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早起きを習慣化するコツ|続かない理由と、研究でわかっている5つのこと

早起きを習慣にするコツは、起きる時刻だけを動かさないこと

早起きを習慣にしたいなら、目覚ましを早めるだけでなく、寝る時刻・朝の光・休日の起きる時刻を一緒に動かすところから考えるのがよさそうです。夜型の人を対象にした小さな試験では、こうした変更をまとめて3週間続けた人の起きる時刻と寝る時刻が約2時間早まり、睡眠時間は減りませんでした。

この記事でまとめるコツは、次の5つです。

  1. 起きる時刻と寝る時刻を、セットで前に動かす
  2. 起きたら、すぐに光を入れる
  3. 休日も、起きる時刻を大きくずらさない
  4. 起きた後にやることを、1つだけ小さく決めておく
  5. 寝坊した日は、次の朝に戻すだけにする

研究でわかっていることと、わかっていないことを分けながら、順に見ていきます。

早起きが続かない4つの理由

1. 寝る時刻が同じまま、睡眠時間を削っている

目覚ましを1時間早めても、寝る時刻が同じなら、睡眠は1時間短くなります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人について「適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」ことを勧めています。

同じガイドは、休日に長く眠らないといけないのは平日の睡眠が足りていないサインだとも書いています。早起きのために平日の睡眠を削ると、そのぶん休日に寝坊したくなるのは自然なことです。

2. 体内時計が、遅い時間に合ったままになっている

朝型か夜型かには、生まれつきの部分があります。Jones ら(2019)は約70万人の遺伝子のデータを調べ、朝型に関わる遺伝子の領域を351か所見つけました。ただし、朝型に関わる型を最も多く持つ5%と最も少ない5%を比べても、活動量計で測った睡眠の時間帯の差は平均25分でした。見つかった領域だけで説明できる差は、この程度です。

光の影響も見逃せません。Wright ら(2013)は、8人に夏のキャンプで1週間、自然の光だけで過ごしてもらいました。すると、ふだんの生活の1週間のあとと比べて、体内時計の指標が約2時間早まり、寝る時刻と起きる時刻も約1.2時間早まりました。夜型の人ほど大きく動いています。ふだんの生活で朝の光が少なく夜の光が多いと、体内時計は遅いほうへずれやすいようです。

3. 休日に、元の時刻へ戻っている

平日だけ早起きして休日に昼まで寝ると、週末ごとに時差のある場所へ旅行するようなものだとされ、「社会的時差ボケ」と呼ばれます。上のガイドは、休日の起きる時刻が大きく遅れると体内時計が混乱し、健康を損なう危険性があると考えられる、と説明しています。

大学生61人を30日間調べた Phillips ら(2017)では、睡眠の時間が最も不規則なグループは、最も規則的なグループより、眠りに関わるホルモン(メラトニン)が出始める時刻が約2時間半遅く(平均0時8分と21時32分)、光の浴び方のメリハリも小さくなっていました。これは関連を見た研究で、不規則さが原因だと確かめたものではありません。

4. 起きた直後に、頭を使うことを置いている

目覚めた直後のぼんやりした状態は「睡眠慣性」と呼ばれます。Hilditch と McHill(2019)のレビューによると、起きた直後は頭の働きが落ち、起きてからの時間とともに戻っていきます。寝不足のときや、起きる時間帯によっては、この状態が強くなります。

「朝5時に起きて、すぐ資格の勉強」のように決めると、いちばん頭が働きにくい時間に、いちばん難しいことを置くことになります。

早起きを習慣にする5つのコツ

コツ1:起きる時刻と寝る時刻を、セットで前に動かす

参考になるのが Facer-Childs ら(2019)のランダム化比較試験です。平均で午前2時半ごろに寝て10時15分ごろに起きていた、健康な夜型の22人が参加しました。3週間の変更の中身は次のとおりです。

  • 起きる時刻と寝る時刻を、ふだんより2〜3時間早める
  • 朝はできるだけ屋外の光を浴び、夜の光は控える
  • 仕事の日も休みの日も、同じ時刻に寝て起きる
  • 起きたらなるべく早く朝食をとり、昼食は毎日同じ時刻に、夕食は19時までにする
  • カフェインのとり方や運動のしかたも調整する

その結果、寝る時刻と起きる時刻は約2時間早まり、睡眠時間には悪い影響がありませんでした。朝の時間帯の反応時間と握力がよくなり、抑うつとストレスの自己評価も下がっています。ただし、参加者は22人と少なく、この変化が長く続くかどうかはわかっていません。

夜の過ごし方では、ガイドが次のようなことを挙げています。

  • コーヒーなどのカフェインは、夕方以降に控えめにする
  • 眠るためにお酒を飲まない(寝酒は睡眠の質を悪化させる可能性がある)
  • スマートフォンやタブレットを寝室に持ち込まず、できるだけ暗くして寝る

コツ2:起きたら、すぐに光を入れる

ガイドは、起床後に朝日の強い光を浴びると体内時計がリセットされ、脳の覚醒度が上がると説明し、朝目覚めたら部屋に朝日を取り入れることを勧めています。

いちばん簡単なのは、起きたらカーテンを開けると決めておくことです。これなら寝ぼけていてもできます。

コツ3:休日も、起きる時刻を大きくずらさない

Facer-Childs らの試験でも、仕事の日と休みの日で同じ時刻に起きることが条件のひとつでした。

ガイドが紹介している調査では、平日に6時間以上寝ている40〜64歳の人に限ると、休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮のリスクを下げていました。ただし、平日に6時間以上寝ていても、休日に2時間以上の寝だめをする習慣がある人では、リスクは下がっていません。寿命を見た調査で、早起きが続くかどうかを調べたものではありませんが、休日の朝を完全に手放さなくてもよい、という目安にはなります。

コツ4:起きた後にやることを、1つだけ小さく決めておく

「早起きする」だけを目標にすると、起きた瞬間に何をするかが決まっていません。そこで、「起きた後に」というきっかけと、やることを1つ決めておきます。きっかけの決め方はきっかけで習慣を作る研究にまとめました。

先ほどの睡眠慣性を考えると、起きてすぐの行動は、頭を使わないものが向いています。カーテンを開ける、水を飲む、ベッドを整える、といったものです。勉強や運動をしたいなら、そのあとに置きます。

コツ5:寝坊した日は、次の朝に戻すだけにする

習慣の研究で知られる Lally ら(2010)では、1回やらなかったことは、習慣ができていく過程を実質的に損なっていませんでした(早起きを調べた研究ではありません)。寝坊した翌日に、夜ふかしの埋め合わせで遅くまで寝たり、反動で極端に早く起きようとしたりせず、決めた時刻に戻します。

くわしくは1日サボったら習慣化はやり直し?にまとめました。

スヌーズや二度寝は、やめたほうがいい?

「スヌーズは使うな」とよく言われますが、研究の結果はそれほど単純ではありません。

Sundelin ら(2024)は、ふだんからスヌーズを使っている31人を実験室で調べました。30分のスヌーズのあとの認知テストの成績は、すぐに起きた場合と比べて、よくなるか変わらないかのどちらかで、減った睡眠は約6分でした。朝の眠気や気分には、はっきりした差がありませんでした。

ただし、この研究が見たのは「ふだんスヌーズを使っている人」の短い時間の影響です。早起きが続くかどうかは調べていません。スヌーズを使ったことを失敗と考えなくてもよさそうですが、スヌーズの分まで含めて、布団を出る時刻は決めておくのがよいでしょう。

早起きの習慣化には、何日かかる?

早起きが習慣になるまでの日数を直接調べた研究は、たどれた範囲では見つかりませんでした。「21日で身につく」のような数字は、早起きについては確かめられていません。

近い数字は2つあります。

研究見たこと数字
Lally ら(2010)食事や運動などの決まった行動が、考えなくてもできるようになるまで(早起きは対象外)18日から254日と、人によって大きく違う
Facer-Childs ら(2019)夜型の人の起きる時刻・寝る時刻の変化(習慣になったかは見ていない)3週間で約2時間早まった

つまり、数週間で時刻は動かせるかもしれませんが、考えなくても起きられるようになるまでの長さはわかっていません。2週間やってつらくても、おかしなことではありません。日数の研究は習慣化にかかる日数は?にまとめました。

早起きの決め方の例

以下は書き方の例で、研究で効果を確かめた組み合わせではありません。起きる時間帯だけでなく、前の夜の行動も決めておきます。

きっかけやること小さい版できないときの作戦
起きた後にカーテンを開けて、水を1杯飲むカーテンを開けるだけ暗い時間に起きた日は、部屋の明かりをつける
歯を磨いた後に外に出て10分歩く玄関の外に出るだけ雨の日は、窓ぎわでストレッチ
お風呂の後にスマホを寝室の外で充電する枕元から離して置く目覚ましに使うなら、手の届かない場所に置く

起きる時刻をどれくらいずつ早めるかも、最初に決めます。「15分ずつ早める」という助言はよく見かけ、無理のない方法に思えますが、何分ずつが続きやすいかを比べた研究は、たどれた範囲では見つかりませんでした。

夜型の人も、早起きしたほうがいい?

早起きは、それ自体が目的でなくてもかまいません。仕事や学校の時刻に合わせる必要がないなら、続けたいことを夕方や夜に置く方法もあります。朝の習慣は続きやすい?で見たとおり、「朝にすべき」と言えるほどの根拠はありません。

交代勤務の人や、朝に家族の世話がある人には、この記事の方法が合わないこともあります。また、ガイドは、推奨されていることを試しても睡眠の状態がよくならない場合は、医師に相談することを勧めています。日中の強い眠気が続くときや、どうしても朝起きられないときは、習慣の問題と決めつけずに相談してください。

研究でわかっていないこと

  • Facer-Childs らと Wright らの試験は参加者が少なく(22人と8人)、期間も3週間と1週間です。変化が長く続くかはわかっていません
  • どちらも、もともと遅い時刻に寝起きしていたり、キャンプという特別な環境だったりするので、「いまの起床を7時から5時にしたい」人に同じように当てはまるとは限りません
  • この記事の5つのコツを組み合わせたときに、どれくらい早起きが続くかを確かめた研究は、たどれた範囲では見つかりませんでした
  • 早起き自体が健康や成績をよくするかは、この記事では扱っていません。上で見た研究の多くは、関連を見たものか、小さな試験です

HabitTap では

HabitTap は、iPhone・iPad で使える習慣トラッカーのアプリです。アラームの機能はないので、起きるのは端末の目覚ましに任せて、起きた後の行動を続けるために使います。

  • 「起きた後」から作る:習慣は「きっかけ(何の後にやる?)」と「やること」で作ります。きっかけは「起きた後」「歯を磨いた後」「お風呂の後」などから選ぶか、自分で書けます。テンプレートには「ベッドを整える」(ミニ版は「枕を直すだけ」)などがあります
  • 夜の行動にも使える:「お風呂の後」「夕食の後」のように、夜の準備も同じように作れます
  • 記録は3つ:「できた」「ミニ版」「お休み」。「できなかった」という記録はありません
  • お休みは上限つき:新しく作る習慣は「毎日・お休み週1回」で始まり、頻度とお休みはあとから変えられます。お休みの日は、できなかった日に数えません
  • おかえり:毎日・曜日指定の習慣で、最後にできた日から予定の日が2日以上空いたあとに開くと、「おかえりなさい」と出て、残りをミニ版やお休みにして再開できます

通知の時刻は習慣ごとに変えられ、記録した日は、その習慣の通知は届きません。記録は端末の中に保存され、アカウントの登録は要りません。

続かないときの全体の考え方は、三日坊主にならない方法にまとめました。

まとめ

  1. 目覚ましだけを早めると睡眠が削られる。寝る時刻も一緒に動かす
  2. 起きたら光を入れる。カーテンを開けるだけでよい
  3. 休日も、起きる時刻を大きくずらさない
  4. 起きた後の行動は、頭を使わない小さなものを1つ決める
  5. 寝坊した日は、次の朝に戻すだけにする
  6. 早起きが習慣になるまでの日数は、わかっていない。つらくても、数週間で判断しなくてよい

出典

  • 厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会(2024). 健康づくりのための睡眠ガイド2023
  • Facer-Childs, E. R., Middleton, B., Skene, D. J., & Bagshaw, A. P. (2019). Resetting the late timing of ‘night owls’ has a positive impact on mental health and performance. Sleep Medicine, 60, 236–247. 10.1016/j.sleep.2019.05.001(参加者の人数と変更の中身は、サリー大学の発表で確かめました)
  • Wright, K. P. Jr., McHill, A. W., Birks, B. R., Griffin, B. R., Rusterholz, T., & Chinoy, E. D. (2013). Entrainment of the human circadian clock to the natural light-dark cycle. Current Biology, 23(16), 1554–1558. 10.1016/j.cub.2013.06.039
  • Jones, S. E., et al. (2019). Genome-wide association analyses of chronotype in 697,828 individuals provides insights into circadian rhythms. Nature Communications, 10, 343. 10.1038/s41467-018-08259-7
  • Phillips, A. J. K., et al. (2017). Irregular sleep/wake patterns are associated with poorer academic performance and delayed circadian and sleep/wake timing. Scientific Reports, 7, 3216. 10.1038/s41598-017-03171-4
  • Hilditch, C. J., & McHill, A. W. (2019). Sleep inertia: current insights. Nature and Science of Sleep, 11, 155–165. 10.2147/NSS.S188911
  • Sundelin, T., Landry, S., & Axelsson, J. (2024). Is snoozing losing? Why intermittent morning alarms are used and how they affect sleep, cognition, cortisol, and mood. Journal of Sleep Research, 33(3), e14054. 10.1111/jsr.14054
  • Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology, 40, 998–1009. 10.1002/ejsp.674

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